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活動と行事

生活クラブ風の村スペースぴあ茂原の2018年の活動とイベント

生活クラブ風の村スペースぴあ茂原の就労継続支援B型事業所での2018年の活動内容です。

2018年1月~12月迄の活動情報

千葉大学看護学部の実習生の皆様方が、スペースぴあを実習先としてここに初めて来られたのは2012年のことでした。春夏冬の3回に分け、1回ごとに7~8人を受けれ、各々4日間の実習の最終日には必ず地域の高齢者施設や病院への訪問演奏を行って来ましたので、この7年間で160~170人の実習生の皆様方と一緒に、各会場で歌を唄ってきたことになります。Space Peer Voice Ensemble は実習生が来られる年に3回のこの時ばかりは、ソプラノのメロディーラインに厚みを増した1ランク上の合唱団に様変わりするのです。

 利用者の皆様方の中には毎朝の歌の練習が嫌で、参加されない方も勿論居られます。それだけが理由ではありませんが、人に聴いて戴ける一定水準の合唱団を維持し、これを10数年間継続して行くのは、ここならではの諸々の事情も重なって容易なことではありませんでした。栄枯盛衰は世の常で、いつまでこのような訪問演奏を続けられるかは誰も分かりませんが、いま出来ることをみんなで心を1つに合わせて、1つずつ着実に見重ねて行ければ幸いと心から希っています。

​2018.12.13  ​ふたば幼稚園訪問演奏

 私たちには薬物療法も必要ですが、それのみで自らが負っている疾患や障害から恢復するとは思っておりません。差別や偏見による社会的抑圧感により、私たちの存在を地域社会から隠されてしまったり、自らの存在を自ら隠さずに済むような、誰もが心安らかに暮らせる大らかで豊かな地域社会が切り拓かれて行くことを深く希いながら、私たちは16年間に亘ってこの地で様々な活動を積み重ねてきました。

 村上園長先生のご英断によりまして、65年の歴史を誇る​茂原市内のふたば幼稚園で170人の園児を前にし、長い間念願となっていた幼稚園への訪問演奏が実現しました。スペースぴあは2003年の設立ですが、2年前の2001年には大阪教育大学附属池田小学校で学童への無差別殺傷事件が起こり、児童8名(1年生1名、2年生7名)が殺害され、児童13名・教諭2名が傷害を負った事件が起っています。精神鑑定の結果は「パーソナリティ障害は認められるが統合失調症ではなく、責任能力を減免するような精神障害はない」とのことでしたが、既に20年近くの歳月を経過しているにも拘らず未だに大きな衝撃が残っています。あの事件を機に、これまでは地域に開かれていた小学校は急激に閉ざされ、私たちが幼稚園や小学校の中に入れて戴いて歌を唄うには、数多くの困難が横たわっていました。Space Peer Voice Ensemble が産声を上げてから、早くも10数年の歳月が流れていますが、私たちへの深いご理解を賜り、この地域で初めて私どもを迎え入れて下さった村上園長先生に、一同心から感謝しています。

 
 時節柄クリスマスソングを中心に唄い、特にジングルベルの超特急版(モルト・プレスト)が受け、「もっと速くやって!」の園児の皆さんの大きな声援に励まされ、ソリを引いているトナカイさんが疲れ果てて倒れる寸前まで何度も唄いました。かわいい園児の皆さんも、鈴を鳴らしカスタネットを叩いて私たちと一緒に唄って下さり、これまでに幾重にも積み重ねて来た訪問演奏の中でも、最も楽しい貴重な体験をさせて戴くことになりました。
 
 更にありがたいことに、今後ともこのような訪問の機会を繰り返しつくって戴けるとのことでして、毎週木曜日の午後に伺っている本納小学校の花壇づくりの営みとと共に、私たちの心の奥底にどこからともなく生きる勇気が湧き出てきました。

心から嬉しく思っています。誠に、まことに、ありがたいことでございます。

2018.11.30  奥日光温泉旅行 

7年前の2011年の夏に東金青年の家で宿泊研修を行うことなったのは、初めて行う温泉旅行の予行演習の為でした。本納での日々の暮しから逃れて、全山紅葉の景色の中でみんなでゆっくりと遠くの温泉につかり、暫しの間みんな忘れて羽を伸ばして異なる時空に旅立つことに、誰もが憧れていたのです。

 けれども心配がありました。旅行の当日に何人集まるのか…、当日の朝、多くの方から欠席連絡が入ったらどうしよう…、前日から大雨でも降っていたら当日は誰も来ないかも…、途中まで行ってやっぱり帰りたい、と言うひとが出たらどうしよう…。開けてみたらどんなことになるかも判らずに、たった1泊2日のバス旅行にスタッフは心を揉みました。毎秋の温泉旅行は2013年から始まりましたが、当時は7,000円ほどの極めて低価格で、送迎バスや朝夕のバイキング料理や飲み放題のドリンクまで付いて、鬼怒川温泉に行けるということをまだ知らなかったので、多額のキャンセル料に耐えられるかどうかを案じていたのでした。

 
 東金青年の家での2011年の夏、2012年の春、2013年の春の3回の宿泊の経験を経て、この年の秋から毎年の温泉旅行が始まったのでした。鬼怒川、草津、塩原、熱川の紅葉を楽しんできましたが、この度は紅葉の行楽シーズンを敢えて避けて奥日光に足を延ばし、初冬の静まり返った湯ノ湖の湖畔を目の前にして、みんなでゆっくりくつろいできました。

 次回からは1泊2日ではなく、2泊3日にしてゆったりとした気分を味わいたいとの意見も多く出ましたので、B型作業所「ぴあふぁくとり」の工賃向上へ向けて、収益の幹となる事業を早急に組み上げて行かねばなりません。目的を達成する為に、これからもみんなで一歩ずつ着実に歩んで参ります。

2018.11.04  茂原市文化祭 音楽の広場

毎秋茂原市東部台文化会館で行われている茂原市文化祭「音楽の広場」に Space Peer Voice Ensemble が初めて参加させて戴いたのは、第59回の2010年(平成22年)11月7日(日)のことでした。この時には21人で「いつも何度でも」と「赤いスイトピー」を唄いました。翌年の第60回では「小さい秋見つけた」「大きな古時計」「千の風になって」を唄い、前年に引き続き2回目の出場でしたので、この時以来自ら負っている精神疾患を、毎回会場の皆様方に積極的に開示し続けています。高齢者施設や病院などへの訪問演奏を行いながら、自分たちの恢復の地平を切り開こうとしている運動体でもあることを、東部台文化会館にお集まりの皆様方に広く知って戴くけるよう、唄う前の曲目と団体紹介のアナウンスの中でカミングアウトしてきました。この国では不名誉な病とされている統合失調症を、高血圧などの他の疾患と同じようにメジャーなものにするには、自らの恢復途上の姿を開示して行くことが必要です。これにより精神疾患に纏わる差別や偏見が融解し、周囲の皆様方の意識が少しずつ変容していくことを心から希っています。

 毎年唄い継いで9回目の出場となる第67回の今回は、「故郷」(嵐と文部省唱歌の2曲)と「花は咲く」(「NHK東日本大震災プロジェクト」のテーマソング)で臨みました。開催日時が重なってしまった本納公民館(ほのおか館)の文化祭での、本納コーラスや Symphonic Brass Orchestra Chiba との共演にも間に合う為に、「音楽の広場」では一番初めに唄わせて戴きました。ご配慮を戴きました関係者の皆様方に、心から感謝しています。ありがとうございました。

 
 タイトなスケジュールの中で2つの会場を掛け持ちで出場することの大変さをみんなで味わい、これを無事に終えた後の充実感をも体験でき、貴重な1日となりました。重ね重ね、誠にありがたいことでございます。

​2018.10.10  さつき台病院 訪問演奏

 Space Peer Voice Ensemble の設立は16年前になりますが、いすみ市のNPO法人あっとほーむの長野干城事務局長のお招きで最初の訪問演奏が実現したのは14年前のことでした。精神科病院の院内の講堂で初めて唄えたのは、今から2年前の木村病院でのクリスマス会でして、成田病院のデイケアルームに於ける夏の合唱大会には、引き続き毎年伺わせて戴いております。誠にありがたいことでございます。

 この度のさつき台病院の訪問演奏が画期的であったのは、精神科の閉鎖病棟内に入れて戴き、私たちSpace Peer Voice Ensemble が長期入院者を前に初めて唄うことができたことでした。このことがとても難しいことであったことを皆様方にご理解戴くには、病棟内で私たちの歌をお聴き戴くのに16年間もの歳月を要したことに思いを馳せて戴ければ幸いに存じます。三木看護師長様はじめさつき台病院の皆様方に、一同心から感謝しております。

 
 この度の営みが退院促進に結び付くことを、心から祈っております。 これを機に、まだ始まったばかりのこの度の医療と福祉との連携の絆が次第に深まって行くように…とみんなで希っています。

2018.10.03   光風荘 訪問演奏

2018.09.06   本納小学校花壇 花植え 第2回目

2018.08.28   本納小学校花壇 花植え
生活クラブ風の村スペースぴあ茂原の近くにございます本納小学校のご理解とご協力を得まして、校内の花壇の手入れをさせていただいております。いろいろな花を植えました。新学期に登校する児童のみなさんがこの花壇を見て喜んでくださるとうれしいです!

2018.08.10   総合医療センター成田病院 合唱大会
2018.07.15  御船町 日天子祭
​2018.07.12  そば打ち名人参上(かるがも蕎麦の会)
​2018.07.06  公立長生病院 訪問演奏
​2018.06.06  いこいの郷 訪問演奏

2018.05.06  ほのおか館・落成記念まつり(合唱)

 本納公民館が建て替えられ、「ほのおか館」という美しい名を新たに冠してオープンしました。この度の「落成記念まつり」には Space Peer Voice Ensemble も芸能部門に加えて戴き、ソプラノとアルトのパートを受け持つ「本納女声コーラス」の皆様方とご一緒に、ピアノの伴奏で「いつも憧れ」を四部合唱で楽しみ、次にSBC(Symphonic Brass Orchestra Chiba)の方々の素晴らしい伴奏よる「ふるさと」を二部合唱で歌い、貴重な体験をさせて戴きました。誠にありがたいことでございます。高声部は本納コーラスの皆様方が、中声部や低声部は私たち Space Peer Voice Ensemble が受け持つという形で、これからもご一緒にコーラスを楽しめそうで、みんなで楽しみにしております。

 「いつも憧れ」は茂原市歌でして、毎朝8時に市内全域に流れます。昨秋の茂原市制65周年記念の際に行われた「茂原音楽祭 VIVAコーラス」で、私たちも17の市民合唱団と共に東部台文化会館の舞台に上り、四声部に分かれて大勢で唄った曲でした。「ふるさと」は2013年にNHK全国学校音楽コンクール小学校の部の課題曲ともなった美しい曲で、この秋の「ほのおか館」の文化祭の場でもう一度、この三者によってこの曲でコラボレーションをすることに早々となりました。地元本納の他の演奏団体との交流が、嬉しいことに今後とも引き継がれて行きます。私たちは地域の皆様方にこのように温かく迎えられておりまして、心から感謝しています。

 初めにSpace Peer Voice Ensembleの井代団長が、会場の皆様方の前でマイクを片手に合唱団の紹介をしました。私たち精神疾患を負った住民が、周辺の高齢者施設や公立長生病院等にて毎月訪問演奏をさせて戴きながら、仲間と共に心の病からの恢復の道を日々地道に切り拓いている姿の一端を、会場にお集まりの皆様方にも垣間見て戴くことになりました。「落成記念まつり」にお集まりの地域の皆様方の前で、こんな風にみんなで自然に自己開示(coming out)ができ、嬉しい限りです。自己開示に関しましてはこれまでにも数多くの場数を踏んで来ましたので、自分たちの中に少しずつ自信がついて来たようです。みんなでこんな風に地域で暮らす中から、次第に元気になって薬も減り、表情も明るさを増してきています。

 何らかの精神疾患に罹る方は、アメリカでは1年間で全人口の1/4とも言われ、4人に1人が苦しんでいます。我国ではこの病に罹患することがとても不名誉なこととされ、彼等は自ら隠したり、身内や社会から隠されて理不尽な情況に置かれています。この度のような音楽に拠るコラボレーションを通して、少しずつ社会的抑圧感も和らぎ、精神疾患に対する周囲の偏見を徐々に変容させて行くことができると、地域社会の只中にも自ずと恢復への道が切り拓かれて行きます。古い歴史に覆われたこの本納の町中で地元の皆様方と共に暮らし、本納の住民の一員として一緒に歌い、午後になると町中に引き売りに繰り出して、地域の皆様方と何気ない会話を交わす日々の暮らしの中から、私たちは知らず知らずのうちに「恢復への道」を歩んでいたのでした。 

 このようなことは誠に「有り難い」ことでございまして、私たちを温かく迎え入れて下さる本納の地域の皆様方に、一同心から感謝しております。 

2018.04.27  実恵園 訪問演奏
千葉大学看護学部の7名の実習生の皆様方をも交え、久しぶりに実恵園様を訪問して、みんなで一緒に唄って参りました。実恵園の職員の皆様方のご協力によりまして明るい空間がみるみる拡がり、会場のみんなが楽しめた訪問演奏となりました。 一同、実恵園の皆様方に心から感謝しております。

2018.04.13  東金青年の家研修​

 2011年から始まった東金青年の家に於ける宿泊研修に、今年は28人の利用者の皆様方が参加されました。自らの物語を新たに創り上げて行く中で、自分自身の未来への希望を見出すことを目指し、2日目は2人で互いの眼と眼を合わせ、相対して語り合いました。

 城西国際大学福祉総合学科と東京成徳大学福祉心理学科から各々1名の学生が参加され、2日目には東京成徳大学応用心理学部福祉心理学科の江間由紀夫先生にもご参加戴き、ナラティブ・アプローチに関するお話を解りやすくして戴きました。

 この度の研修は、私たちが自らの恢復の地平を目指して歩んで行く際に、具体的な手段や方策を手に入れるとても良い機会となりました。研修の準備は大変なのですが、新たに宿泊を伴わない日帰りのプログラム(9:00~16:30)を企画し、このような研修を四半期毎に継続的に実施できないものかと、一心に模索をし始めています。​先ずは原案を提示し、それをみんなで検討しながら、新たなプログラムを一緒に創って行ければと希っております。
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2018.03.07  引き売りで本納小学校への訪問

 2001年6月8日に刃物を持った男(宅間守・当時37歳)が大阪教育大学附属池田小学校に乱入し、児童8人が死亡、教師を含む15人が重軽傷を負うという、痛ましい事件が起こりました。それまでの小学校の校庭は子どもたちの遊び場でもあり、地域のコミュニティに重要な役割を果たしていたのでしたが、この事件により学校に監視カメラが設置され、部外者の立ち入りは原則禁止となり、集団登校時には保護者や地域のボランティアによる見守りが行われ、警備員も配置されるようになり、精神障害者=犯罪者予備軍=危険人物というステレオタイプの偏見が、マスコミによってまたもや衝撃的と言っても良いほど急速に増幅されて行ったのでした。精神障害者の犯罪率は健常者に比べて高いとは言えないのにもかかわらず、世間からは彼等はとても恐れられております。この偏見を打ち破っていくには、精神障害を負った住民という当事者性を濃厚に帯びた者が、LGBTの方々のように積極的に周囲に自らを開示していくしかないと私たちは思い定めており、実際にこの本納の地で様々な試みを積み上げて参りました。その1つが、この度の本納小学校との交流だったのです。

 あの事件から17年が経過した今年の2月20日(水)の15時半から、本納小学校の長島校長先生のご厚意とお力添えによりまして、教職員の皆様方にスペースぴあが目指す地平を巡って1時間ほどお話をさせて戴くことになりました。先生方からも深いご理解を得ることとなりまして、嬉しく思っております。ありがたいことでございまして、一同心から感謝しております。

 東金市の浅井病院では毎年5月にはんてん木祭りを行い、地域の小学校・中学校・高校・大学の学生をはじめ、この日だけで4500人もの方々が、院内の敷地内いっぱいに繰り広げられたイベントに参加して終日楽しんでおられます。浅井病院は正気小学校に隣り合って接しており、本納小学校の先生方を前にお話をさせて戴いた時には、先生方にこのはんてん木祭りの写真をもご覧い戴きながら、本納小学校とスペースぴあの運動体とをどのように結び着けて、偏見のないより良い地域社会を創り上げて行くことが出来るかを、ご一緒に考えて行くこととなりました。

 その結果、本納小学校の校庭の花壇づくりの一翼を担わせて戴くことと、私たちが毎日本納の街中を引き売りをしているその行き先に、放課後の4時半過ぎに月に1度、職員室をも加えて戴くこととなりました。下の写真は、この時の訪問販売の光景なのです。

 小学校を卒業した生徒が、紆余曲折を経て精神疾患を負った住民として生きて行かざるを得なくなり、私たちのような地域の支援団体と共に彼等がこの街で生きている、その様子をつぶさにご覧戴きながら、教職員の皆様方とご一緒にみんなで<生きることの深い意味>を継続的に考えて行く機会を持てることを、私たちは心から希っております。長島校長先生のお決断で芽生えたこの小さな可能性を、みんなで1つずつ深めて行ければ幸いに存じます。

2018.02.21  和光苑訪問演奏

 この度もまた和光苑様からお呼び戴きまして、みんなで訪問演奏に参りました。ご一緒に楽しいひと時を過ごす喜びを、心の底から味わわせて戴き、一同深く感謝しております。

 ひところに比べますと、Space Peer Voice Ensemble の面々は体力も忍耐力も共につけて来た結果、1時間立ち続けで唄いながら、会場の皆様方と共にどんどん楽しめ、熱演して参りました。とてもとても疲れましたが、一仕事を終え、実に爽やかな気持ちでみんなで「ぴあふぁくとり」に戻って来ました。

 「もばら和光苑 ボランティア公演」の横断幕を掲げて戴きまして、和光苑の皆様方に心から感謝しております。ありがたいことでございます。

2018.01.10 城西国際大学精神保健福祉士実習事前学習会

 城西国際大学福祉総合学部での精神保健福祉士実習事前学習会にお招き戴くのは、8年目となりました。歩みは遅いのですが、毎年このような経験を積ませて戴いておりますので、お陰様で徐々に自分たちの役割や課題が見えは始めて参りました。ありがたいことでございます。堀先生に心から感謝しております。
以下に今回のプログラム(進行予定表)を掲示させて戴きます。

プログラム

(11:20~12:40)
    1.OPENING 堀先生のお話  <5分>
    2.「PSW事前学習会」へ向けた概要説明   <15分> (木村)
        資料を事前に配布して準備
        (12月20日の授業に予めて配布して戴き、当日の1月10日までに受け入れ態勢と
​         質問の準備をして戴く)

3.Space Peer Voice Ensemble  <15分>
         合唱団の紹介 (井代:合唱団団長) 【2分】
            合唱  訪問演奏の一部を実演 (全員)  【8分】
           解説  何を目指して年間20回近くも訪問演奏を行っているのか(団員) 【5分】

4.疾病体験の開示  そよかぜの会in茂原(Self Help Grope)  <30 分> (水島)
        団体紹介 (そよかぜの会の設立の経緯と今後の展望) 【5分】
               自らの疾病体験を語り合う 【25分】
    5.疾病や障害から来る生きづらさに関することを中心に…質疑応答  <30分>
​    6.CLOSING 堀先生のまとめ   <10分>

 自らの疾病や障害からの恢復過程にある私たちのありのままの姿を、大学の教室の壇上からみんなで開示して伝えて行く中から、自分たちがこれまで負の体験と思っていたことが、この場で貴重な教育資源となって変容していくことを実体験させて戴きました。学生の皆様方には、当日はエンパワメント(湧出)をする側に回って戴くよう、予めお願いしておきました。精神保健福祉の仕事の1つが、地域の只中で日々暮らしている精神疾患を負った住民の生活を支えることであるとすると、PSWを目指す自分たちはどのようなことを考えなければならないかを、私たちに直に接しながら、この日学生の皆様方にも考えて戴くこととなりました。ご一緒に時を過ごして下さりました学生の皆様方に、一同心から感謝しております。

 毎朝30分間の練習の積み重ねの結果培われた、教壇の上に70分間もの間立ち続けていられる利用者の皆様方の忍耐力に、みんな吃驚していました。持っている力を、みんなで心を合わせて引き出すことが大切なのです。ひとりでは出来ませんが、みんなですると実現できるのです。

 今回もまたこのような貴重な体験を積ませて戴きまして、ありがとうございました。とても疲れたはずなのに、返ってみんな元気になって戻って来ました。役割りを担うことの大切さを、改めて知りました。誠に、真に、まことに、ありがたいことでございます。

2018.01.01   謹賀新年
 私たちは精神疾患を負った住民の暮らしを地域の只中で支え続ける為に必要な、幾つもの社会資源を創り続けて参りましたが、今年は15周年を迎えます。「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」をこの地に具現化していく為の試みを、未だ萌芽に過ぎませんがこの間に幾重にも積み上げて参りました。これらの基礎の上に、引き続き誰もが仕合せに暮らすことが出来る地域づくりを目指し、皆様方とご一緒に歩んで参りますので、本年もよろしくお願い致します。

NPO法人スペースぴあが社会福祉法人生活クラブの一員となります

   

6月から「社会福祉法人 生活クラブ 茂原エリア」 内の一事業所として活動

  今年の6月1日以降の私たちは、「社会福祉法人 生活クラブ 茂原エリア」 内の一事業所として、「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」を構築しながら、地域の福祉力を1つずつ着実に深めて行く営みに、全職員が一丸となって邁進して参ります。

県費単独事業の「ふれあいホーム スペ-スぴあ」を本納の地に開設し、そこに15年と25年の社会的入院者を鈴木病院様からお迎えしたのは、平成15年4月のことでした。早くも15年の歳月が流れております。18年に精神障害者小規模共同作業所「ぴあふぁくとり」を創設しましたが、20年には思い切ってこれを就労継続支援B型事業に制度移行することとなりました。スペースぴあの居住福祉の部門を「ぴあリビングスペース」と総称しておりますが、外房線の大網駅、永田駅、本納駅、新茂原駅から徒歩圏に、この間総計11軒のグループホームを開設し、非力を省みずにこの国の社会的入院者の課題の解決へ向けて全力を注いで参りました。通過型にしている訳ではないのですが、私どものグループホームから去って行かれた方々は、お陰様で44人になります。今後とも可能な限り良質な社会資源を創り続け、ここを誰もが暮らしやすい地域に変えて行きたいと心から希っております。

精神疾患を負った住民の暮らしを地域の只中で支えて行くには、「居住の場」と「社会参加の場」との両輪が噛み合わねばなりません。彼等が自由に生きることが出来る空間を創り上げるには、私たちは何をしなければならないかを絶えず考えてきましたが、池田 徹様(写真中央)が率いる進取の気性に富んだ「社会福祉法人 生活クラブ風の村」様に、この時点で事業統合をお願いすることとなりました。私どもの事業の継続性を一気に盤石なものにし、これまで築き上げて来た基盤を基に更なる発展を目指すことが可能になりました。難題を快く引き受けて下さった池田様はじめ生活クラブの皆様方に、一同心から感謝しております。誠に、まことに、ありがたいことでございます。 

1.1人でも多くの社会的入院者の地域移行(=退院)を実現する為に、あらゆる努力をする
   2.彼等の恢復に必要な居住空間に加え、就労をも含む社会参加の空間づくり
   3.高齢化した精神疾患を負った住民の暮らしを、地域の只中で支えるシステムづくり
   4.本納の歴史遺産を利用した町づくりを通し、社会参加の場を拡大深化させて啓発を行う
   5.Decent Workを創り出して工賃の向上を図り、彼等の自由の拡大を目指す
   6.引き籠り等による就労困難者への就労訓練の場をつくり、温かな交わりの空間を築く
    7.以上のことを実現できる深い心をもった人を集め、高い志を抱いた福祉家に育て上げる

今年の6月1日以降の私たちは、「社会福祉法人 生活クラブ 茂原エリア」 内の一事業所として、「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」を構築しながら、地域の福祉力を1つずつ着実に深めて行く営みに、全職員が一丸となって邁進して参ります。

生活クラブ風の村スペースぴあ茂原の2017年の活動とイベント

2017年1月~2017年12月迄の活動とイベントです。スペースぴあ茂原では就労継続支援B型事業所として、作業所での作業だけでなく、以下のようなイベントにも力を入れています。

2017.12.22  セントケア茂原 訪問演奏
暮れも押し迫った22日(金)に、セントケア茂原様に初めての訪問演奏に伺う機会に恵まれました。毎年インフルエンザが猛威を奮うので、この時期は長期間に亘り訪問演奏の受け入れ先に苦労するのですが、幸いにもデイサービスにお集まりの皆様方とご一緒に、大きな歌声を出しあって互いに交流する楽しみが、70分間も叶うこととなりました。この日は千葉大学看護学部の7人の皆様方も高声部に加わって下さりましたので、メロディーラインはより美しい響きに包まれて行きました。

 まさかこのようなことになろうとは、誰も思ってはおりませんでしたが、この度の訪問演奏は、私たちにとりましては忘れ難いものになりました。訪問演奏には毎回必ず参加されたHさんが1週間後の29日に入院され、新年の5日の朝6時37分に帰らぬ人となりました。22日の訪問演奏時にも自ら進んで一緒に来られましたが、この日はだるそうにして客席に座って聴いて居られたのでした。

 訃報を知った5日の朝の9時からのミーティングの場で、皆が心からのお別れの言葉を述べ合い、その後の流れは自然と音楽葬となって行きました。「遠くへ行きたい」「翼をください」「星に願いを」・・・。私たちの訪問演奏の最後は、必ず慰めと希望とに満ちた「千の風になって」で締め括るのですが、この日は悲しみに耐え兼ねて、4曲目を唄うことが出来ませんでした。

2017.12.13  医療法人学而会 木村病院 クリスマス会 合唱参加
昨年に引き続きまして、今年もまた木村病院のクリスマス会にお招き戴きました。病棟の最上階に設えられたホールの舞台の上に並んで、おなじみのクリスマスソングのメドレーをはじめ幾つかの歌を唄う機会を与えて戴き、皆様方に感謝しております。デイケアに集う大勢の皆様方による力強いコーラスもありまして、客席に座っていた私たちもこの度の交流を楽しませて戴き、とても嬉しく思っております。

 医療と福祉とが互いの長所を活かし合って今後どのように連携していけば、精神疾患を負った住民の暮らしを地域の只中で上手に支えて行くことが出来るかを巡り、各地で様々な模索が積み重ねられております。「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」をこの茂原市本納の地に創り上げようとした時に、この度のような病院訪問の体験がどのように生かせるかを考える良い機会に恵まれ、間近に迫った新たな平成30年に向けて暫しの間思いを馳せておりました。

2017.11.29  プラセル九十九里 訪問演奏
大里綜合管理の橋本さんはお母様の介護に備えて、いまは大網白里市北今泉のプラセル九十九里に勤務され、資格も取って日々現場で介護福祉を学んでおられます。橋本さんが大里に在職中にも私たちは大変お世話になったのですが、その橋本さんから突然 Space Peer Voice Ensemble の訪問演奏に関する依頼が入りました。喜んで早速伺わせて戴きましたところ、とても明るくお元気なデイサービスの皆様方とご一緒に、春夏秋冬の歌を大きな声で唄えました。楽しいひと時は、瞬く間に過ぎて行きました。

 この度は新たな訪問演奏の場を拡げることが叶い、社会参加の機会を増すこととなり、誠にありがたいことでございます。支援者の皆様方に、心から感謝しております。

​2017.11.05  茂原音楽祭
茂原市制65周年を記念して、市内の17の市民合唱団による 「第32回 もばら音楽祭 VIVA コーラス!」が9月10日に行われたばかりでしたが、11月5日の茂原市文化祭「音楽の広場」にも Space Peer Voice Ensemble が参加するにあたり、この2ヶ月間は『星に願いを』『夏の思い出』『翼を下さい』の3曲のみに集中して、毎朝30分間の練習を重ねてきました。

  この度は更に難しいことに挑戦し、遅いテンポの曲ばかりを敢えて集めて舞台で唄いました。速い歌は曲の持つ<勢い>で誤魔化せ?! ますが、それに比べ遅い歌は、細部の綻びまで全て見えてしまい、聴き手に隠すことが出来ません。そこで、同じメンバーが毎日練習に出て、心を合わせて1フレーズずつ丁寧に練習を積み重ねて行く<忍耐と努力の過程>が、より一層大切になって行きます。

  歌の元となっている美しい詩が、曲が進むに連れて場面転換して行く中で、それぞれのシーンに相応しいトーンを探し求めて、心を籠めて幾つもの異なる情感を繰り返し唄い込んで行く・・・という、根気の要る難しい試みを、みんなで心を1つにしてこの2ヶ月間辛抱強く行いました。心を合わせないと出来ないこのような地道な営みがどうしても苦手で、忍耐を伴う毎日の練習に耐え得ない方々も居られましたが、この積み重ねの中から、「自分たちで創り上げたレパートリー」 という共通の思いに連なるものがどこからともなく芽生え、Space Peer Voice Ensemble の団員のみんなの心の中に、仲間意識のようなものが少しずつ育まれて行きました。

  これまでは2部合唱でしたが、次は3部合唱に着手します。晩秋から初冬へと季節が巡っていく時期にあたりますので、緩やかなテンポの中で詩の深い情感を伝えていく『ペチカ』『雪の降る街を』の練習に移ります。これまでのレパートリーを維持しつつ、新しいレパートリーを増やしていくことの難しさに耐えながらも、1つずつ着実に積み重ねて参ります。

   私たちは毎日の歌の練習や毎月の訪問演奏等を通して、更には市の音楽祭への参加によって、みんなで力を合わせて己を研いていく体験を積み重ねてきました。これらの体験が各自の心の中に緩やかに蓄積されいく中から、少しずつ<生きていく自信>が湧いて来ることも共に学び合いました。一緒に唄うという営みの中からも、「恢復への地平」が立ち顕れて来るのです。Space Peer Voice Ensemble という名の市民合唱団の小さな枠組みの中ではありますが、自信が無かった自分たちがEnsemble の営みの中で互いに結びつけられて行きました。この絆の感覚を頼りにひたすら人前で唄い続けて行くうちに、自らの疾病や障害が自然な形で周囲に開示されて行ったのです。精神疾患を負った市民が、周囲の抑圧的な眼差しに抗して地域の只中で生きて行くには、仲間(Peer)の存在が必要であることを、私たちは Ensemble を通して深く学んだのでした。 

   いま私たちが思い描いている Peer の意味は、「精神疾患を負った仲間」という狭い範囲から徐々に解き放たれて、いつの間にか地域住民全体をも包み込んで行き、振り返ってみると Peer という言葉自体が「地域のみんな」を表すようになっていました。本納の地で15年間暮らし続けて行く中で、Peer の外延が無理なく自然に地域に向けて拡がってきているのです。誠に微々たるものに過ぎませんが、地域の只中で暮らす私たちの存在自体が、地域の皆様方のこれまでの精神障害者に関する頑なな意識を徐々に溶かしはじめ、地域社会そのものが溶変していく方途を、僅かではありますが徐々に拡げているのかも知れません。もしもそうであるならば、これは心からありがたいことでございます。「私たちが<収容>されずに、地域の只中で暮らし続けていることが、そのことが地域社会の皆様方が抱いているこの病への偏見を溶かしていく役割を果たしている!」 という意識を、この地で暮らしている精神疾患を負った住民である私たちが無理なく自然に持てるようになれば、私たちは<社会的役割>を得て自信を持って歩み、ここからも自らの恢復への地平が立ち顕れて行くように思えます。

  地域の皆様方と共にこの地で暮らし、周囲の皆様方ともご一緒にみんなで歌を唄い続けることによって、深く、豊かで、温かな地平に共に立ちたい…との望みを心に懐きながら、私たちはこれからも地域社会の大らさを信じてこの地を耕し、互いに仕え合いながら暮らして参ります。仕合せ感はこんな風に、人や、土や水、風や光 との交わりの中から、語らいの中から日々生まれて行きます。精神疾患を負った住民が安心して暮らせる地域は、それは誰にとっても住みやすい地域社会であることを、ゆっくりと、無理なく、みんなで身をもって体現して行く中から、仲間と共に在る<仕合せ>感の漂う地平を、周囲にそこはかとなく開示し続けて行ければ・・・と、心から希っています。

2017.10.28  しもやぎ祭り(下総精神医療センター)

2017.09.24  ロザリオ福祉まつり
 平成18年4月に共同作業所「ぴあふぁくとり」を開設し、翌年の4月からは障害者自立支援法に基づく「就労継続支援B型事業所 ぴあふぁくとり」 に、右も左も分からないまま、清水の舞台から飛び降りるような思いで一気に移行したのでした。B型の最低基準は月給3000円以上となっておりましたので、まだ時給20円、月給800円にも満たないよちよち歩きの「ぴあふぁくとり」にとりましては、これはとても勇気のいる決断だったのでした。

 そのような時に、ロザリオの聖母会の細渕宗重専務理事(当時)から「ロザリオ福祉まつり」への参加を促され、煎餅以外には出品するものは何もない私たちは躊躇したのですが、身一つで良いから…とのことでしたので、恐る恐る参加させて戴きました。

  当日は細渕様より直々にお出迎え戴き、そこで倉庫に導かれ、「ここにあるものをみんな商品として、煎餅と一緒に売って、その売上は全てスペースぴあに持ち帰るように!」と言われました。

 早くもあれから10年が経過し、私たちの出店も今回で10回目となりました。細渕様がお亡くなりになられてから、既に6年半もの歳月が流れ去っております。私たちの初めての出店に際し、慈愛に満ちた温かい手を差し伸べて下さった時のことを思い起こしては、自立へ向けての支援の在りようを身をもって具体的にお示し下さったことに、私たちは繰り返し両の手を合わせておりました。

2017.09.10   茂原音楽祭 VIVAコーラス
茂原市政65周年を記念し、市内の17の市民合唱団による「第32回 もばら音楽祭」が、茂原市東部台文化会館で行われました。ありがたいことに、Space Peer Voice Ensemble は今回初めてこの茂原音楽祭に招いて戴き、心から感謝しております。茂原市の愛唱歌「いつも憧憬」を4部合唱で唄う場面では、全ての合唱団の団員が全員舞台に上がり、会場の皆様方とご一緒に唄いました。

  私たちは3番目に出演し、井代団長が壇上から自らマイクを片手に、「NPO法人 スペースぴあ」とSpace Peer Voice Ensemble の紹介を手短にしている間に、緊張しながら袖から舞台に向けて団員が整列し、訪問演奏の時にいつも唄っている曲の中から8曲を、10分間で唄い抜けました。
会場からは温かい拍手を戴き、一同心から感謝しております。毎朝30分間の練習を欠かさずにしておりますが、参加された他の合唱団の皆様方はとても高い水準の響きを追求しておられ、更なる精進が必要であることを一同改めて感じました。このような良い学びや貴重な経験をさせて戴き、皆様方に心から感謝しております。

 2ヶ月後の11月5日には、「音楽の広場」で唄うことになっております。同じ東部台文化会館で行われ、ここへの参加は7回目となりますので、お陰様で広い空間の中で大勢の皆様方を前にして唄うことにも、少しずつですが慣れてきました。ありがたいことでございます。

 明日からは2ヶ月後を目指し、これまで練習してきた曲に代わって、「星に願いを」「夏の思い出」「翼を下さい」の3曲に焦点を合わせ、新たな気持ちで練習に打ち込んで参ります。

2017.08.09  スペースぴあ交流会 佐藤様、金子様
 この度の「スペースぴあ交流会 ~ 自らの生の軌跡を語る語り手の深い思いを聴き取る会」では、薬物依存から立ち直られた佐藤様と金子様のお二人をお迎えし、薬物への依存とはどのようなことなのかを、実体験に拠る極めてリアルな世界を、短時間に淡々と語って戴きました。話を聴いていた私たちも、彼等が体験した薬物の魅力にすうっと引き込まれてしまうほど、それは強力な吸引力を持っている世界のようでもあり、薬物依存の可能性を誰もがも簡単には否定出来ないことが、骨身に滲みるほど良く分かりました。「次の瞬間には、自分は最後まで踏み止まれるかどうかは判らない。手を出してしまいそうな気がする…」との佐藤様の率直な言葉の吐露には、同じ人間として深い共感を覚えざるを得ませんでした。薬物によって現出される地平の輝きや魅力とは裏腹にある、誰もがどうすることも出来ない強い魔力に満ちた誘惑に襲われた時に、それに抗しきれず如何とも抑えがたく噴き出して来る人間の弱さというものに、私たちは思いを馳せざるを得なかったのでした。

  大里総合管理(株)様には、スペースぴあは洗車や煎餅の販売等々で長年に亘り大変お世話になっております。ここの職員として働いて居られる佐藤様と私たちが知り合えたのは、野老真理子社長が顧問をして居られる千葉県中小企業家同友会茂原支部の例会でした。この度はそのご縁で、お話し戴けることとなりました。佐藤様はこの度の交流会のチラシに、以下のような短い一文をお寄せ下さりました。

「16歳から29歳までの13年間を、違法薬物に捧げました。楽しむ為に使っていた薬が生きる為に必要な物に変わっていく中で2度の傷害事件を起こし、ダルク(薬物依存症回復支援施設)に入寮、1年半のリハビリを経て大里綜合管理に入社。皆さまの優しさと理解の上に平穏な生活が成り立っていることに、日々感謝しています。」

  スペースぴあでは、精神疾患を負った方々への深く豊かな「恢復の場」をこの地に創り上げようと、日々心を砕いて来ました。幾重もの体験を経て、人薬(ひとぐすり)や時間薬という言葉のもつ奥深い世界も、次第に私たちの心の奥深くにまで沁み通ってきています。このお二人の心を恢復へと向かわせる、大里綜合管理の職場空間とは、どのような空間なのでしょうか。お二方にもう一度お越し戴いて、​この視座から「恢復の空間」について語って戴きたいと心から希っております。

  私たちは不信から信への道を歩もうと希求し、その先に恢復へと連なる深く豊かな地平を探し求めております。薬物の魅力をも超えて行く人と人の繋がり、農作業を通しての「人」と土や水、風や光との繋がり、「役割り」を通じての人と社会との繋がりなどを、どのようにすれば1つひとつこの地で具体的な「形」にして行くことが出来るのでしょうか。問いは幾重にも深まって行きます。

  <自らの生の軌跡を語る語り手の深い思いを聴き取る会>との長い副題を冠した「スペースぴあ交流会」は、語り手の深い思いを聴き取った後の質疑応答の時間に、これまで重きを置いてきました。今回は残念ながらこの対話の時間を充分に確保出来ませんでしたので、次回は3時間を当てて、みんなでじっくりと語り合いたいと思っております。

<追伸>
 お二方は私たちの為に、最後に蛇三線と太鼓で数曲唄って下さいました。そこで私たちも瞬時に Space Peer Voice Ensemble に早変わりして、ディズニー映画 「ピノキオ」の主題歌「星に願い」をお礼に歌わせて戴きました。私たちはこの歌を、スペースぴあのことを言っている<自分たちの歌>として愛唱しているのです。

2017.08.04  総合医療センター成田病院 合唱大会
 17年間の長期入院の方を筆頭に、成田病院から2年程前に順次退院して来られた3人の皆様方をも交えて、院内に於ける恒例の合唱大会に、私たち Space Peer Voice Ensembleは初めてお招き戴きました。(3人が入院して居られた年数を合計しますと、39年になります。)

 私たちは18人の団員に4人のスタッフを加え、総勢22人で参りました。このように病院内で皆様方と交流できることは、本当にありがたいことでございます。各病棟から1曲ずつ唄われ、休憩を挟んで Space Peer Voice Ensemble が20分程お時間を戴き、会場の皆様方とご一緒に歌で親交を深めて参りました。皆様方とこのような楽しいひと時を共に過ごすことが出来まして、私たちは皆心から感謝しております。重ねて、ありがとうございました。

 15時に終わった後は、作業療法室にて15:30~16:00 の間、「スペースぴあの皆さんとの懇談会」の場を設定してくださりました。5つのテーブルに分かれて、全部で20人程の入院患者さんが座られ、そこで私たちもみんなと顔を突き合わせ、親しくお話をする機会に恵まれました。
  ・グループホームについて知りたい
  ・退院について悩んでいる
  ・退院後の日常生活  etc.
  次の段階としましては、希望者による本納のスペースぴあへの見学ツアーとなるとのことでして、成田病院の医療・福祉スタッフの皆様方の地域移行に関する並々ならぬご努力には、一同心から頭が下がる思いで居ります。今後とも継続的にお招き戴けるとのことでして、心から感謝しております。誠に、真に、ありがたいことでございます。

2017.07.07  長生苑 訪問演奏(合唱)
 梅雨の合間の日差しの強い七夕の日の午後、Space Peer Voice Ensemble は緑川理事長の居られる長生苑に千葉大学看護学部の8人のソプラノの方々と共に伺い、そこにお集まりのお年寄りの皆様方とご一緒に、1時間に亘り目一杯唄って、踊って、大声を出して、歌声と笑いの飛び交う会場で楽しいひと時を過ごして参りました。毎年このような貴重な場を提供して下さる長生苑の皆様方に、一同心から感謝しております。誠にありがたいことでございます。
 次第に佳境に入り、私たちが唄う東京音頭に合わせて、気さくな緑川理事長がみんなの前で笑顔で踊り始めると、客席に座って居られた皆様方の表情が一気に輝き出し、その場には急に仕合せ感が漂い始め、辺り一面親近感が深まって行ったのには驚かされました。みんなから好かれている理事長さんであることが、このようなひと駒からも垣間見られ、私たちの心もいつの間にか喜びに満たされていました。

 今後「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」の構築が推進されて行きますが、私たちスぺースぴは、この地で自分たちが手掛けてきた Space Peer Voice Ensemble による訪問演奏、移動販売、本納地域包括支援センターとの連携(本納体爽教室での合同合唱やオレンジカフェ)、「ぴあふぁーむ ~ 農と福祉の模索の場」に於けるユニバーサル農業へ向けての試み等々によって、自らの身の丈に合った形の「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」を、この地に1つずつ着実に構き上げてようとしています。自らの疾患や障害を気楽に表明できる場面を、これらの営みによって地域の只中に日常的に数多く創り上げて行く中から、精神障害者に対する社会の偏見や差別が少しずつ変容していくものと、私たちは考えています。

2017.06.23  スペースぴあ交流会 秋谷様
第25回「スペースぴあ交流会 ~ 自らの生の軌跡を語る語り手の深い思いを聴き取る会」は、秋谷 忍様をお迎えし、1時間に亘って白子町に転居してからの歩みを語って戴き、その後に皆様方からの質問にも丁寧にお応え戴きました。
 <ままならぬ・・・今がある>
夢が破れ マイナスからプラスへの生き方へ! 
自分流で良いから、何か地域に役立つことを!

千葉県郷土史研究連絡協議会 常任理事や白子町の文化財を守る会 世話人等のご体験を踏まえ、そこに「ぴあふぁーむ ~ 農と福祉の模索の場」での就農体験をも交えて、お集まりの聴衆の皆様方に生きる勇気を与えて下さいました。一同、心から感謝しております。

8月9日に予定している第26回「スペースぴあ交流会」は、大里綜合管理株式会社で働いて居られる佐藤修太郎様をお迎えして、自らの生の軌跡の一コマを語って戴くことになっています。

2017.06.21  第24回 スペースぴあ交流会~ 自らの生の軌跡を語る語り手の深い思いを聴き取る会
 城西国際大学看護学部4年の石川蓮太朗さんが、 「地域で生活する精神障害者の日常での困難な出来事に対するその人なりの対処行動獲得を支える看護援助」という研究課題を定めて卒業論文を書くために、何かのご縁からスペースぴあに来られました。そこで先ずは、知り合い、語り合い、活かし合うことから始めようと、「スペースぴあ交流会」の場でご自身のことを語って戴いて、みんなで親睦を図ることになりました。大学からも論文を指導される小林みゆき先生と伊賀聡子先生が来られ、石川さんは多少緊張ぎみでしたが、30分間の素晴らしいプレゼンテーションをして下さり、26名の聴衆の中からは100点満点の声も出ておりました。短い休憩をとってからは1時間に亘り、石川さんとの間で様々な会話が交わされ、時は瞬く間に過ぎ去って行きました。

私たちは自らの苦しみの体験が貴重な教育資源へと変容して行くことに、大きな喜びを感じております。石川さんは茂原市本納の私たちのこの空間(Space)を、ご自身の研究のフィールドとされました。この現場から、心の通った豊かで深い論文が書き上げあげられて行くのを、私たちもまたみんなで楽しみにしています。来春にはもう一度ここに来て、論文の成果を発表して戴けることにもなっています。重ね重ね、ありがたいことでございます。

 石川さんの更なる成長をみんなで見守っていく楽しみも、これを機にどこからともなく新たに立ち顕われてきました。共に語り合い、聴き合うことの中から仕合せ感が漂いはじめ、そこから恢復の地平が浮かび上がって行きます。このような素晴らしい触れ合いのご縁をつくってくださりました小林みゆき先生に、一同心から感謝しております。

2017.06.07   プラチナ・ショートステイ東金 訪問演奏
 Space Peer Voice Ensemble の団員のIさんのお母様が、プラチナ・ショートステイ東金に入所して居られます。親孝行のIさんは自ら入所施設の施設長さんにお願いして、私たちの訪問演奏を実現してくださいました。唄う前に、団員が会場の皆様方のところに行って「よろしくお願いします」と言いながら、笑顔で両の手を差し出して握手をして回ります。その後の「はじめのご挨拶」の中で、お母様がお世話になって居ることに関する感謝の言葉が、Iさんから施設の皆様方に伝えられました。この有様をご覧になっていたお母様は、涙を流して喜んで居られました。

  私たちは訪問先で、ご高齢の皆様方とご一緒に唄う場面を毎回たくさんつくっています。この度初めて伺うことになりました、プラチナ・ショートステイ東金の入居者の皆様方の歌声はとても澄んでおり、修道院の中で歌われている讃美歌を聴いているような趣が漂っていたのがとても印象的でした。全てを終えた後に、車椅子のお母様とIさんを中心に、プラチナの職員の方にも入って戴いて、みんなで記念撮影となりました。

  スペースぴあに戻って来たのは既に15時半を過ぎていましたが、有志の皆様方を中心に、このあと直ちに Peer Support Group「そよかぜの会in茂原」の23回目の定例会が17時まで開かれていました。別働隊の3人はスペースぴあに帰らず、プラチナ・ショートステイ東金の近くの浅井病院に入院中のお仲間のところに面会に行き、早くグループホームに戻ってくるようにと伝え、談笑して戻ってきました。

 スペースぴあでも大変お世話になりました、ロザリオの聖母会の前理事長の細渕宗重様が亡くなられてから、先月の5月29日で早くも6年の歳月が過ぎ去って行きました。その細渕様が、生前によくこんなことを言っておられました。

「相談できる人が居ることが仕合わせ(支合わせ)」「福祉とは共に歩むこと」「仕合わせ(支合わせ)とは、人と人とが仕え合う(支え合う)こと」

 Space Peer Voice Ensemble の訪問演奏活動をも通して、仕合わせ感の漂う空間を日々創り続けながら、これからもみんなで心を合わせて恢復への道を歩み続けて参ります。

​2017.05.19  東金青年の家研修
全山紅葉の中でみんなで温泉に浸かって、ゆったりとした時を過ごしたい!
この思いを具体的な形に…との希いから、6年前の2011年の夏に、東金青年の家で初めての宿泊研修を行うことなりました。いきなり遠くの温泉に大勢で宿泊できるかどうかが、当時はまだとても心配だったのです。東金青年の家での2011年の夏、2012年の春、2013年の春の3回の宿泊研修の経験を経て、この年の鬼怒川温泉を皮切りに、秋になると草津や塩原の紅葉を楽しみ、昨秋は熱川温泉に行きました。今秋は那須の予定です。

 秋の温泉旅行は研修の「け」の字も入れずに、すべて遊びに徹し切っていますが、東金での春の研修は遊びの要素はありません。食事と入浴と睡眠以外は、寸暇を惜しんで研修室を借り切ってのディスカッションに徹し、参加された皆さん方も毎回驚くほど集中力を発揮されます。自らの思いを言葉にし、それらを互いに聴きあい、みんなで語り合う中から、自らの生の軌跡を振り返ることとなります。語りの触媒となる幾つもの映像をも同時に視聴しながら、2日間はあっという間に過ぎ去って行きます。

 一昨年のテーマは「美しく生きるとは…」、昨年は「自らを見つめ直す‼」でしたが、今年は「己を研く」としました。スペースぴあの本部棟の玄関には、欅の1枚板を削ってそこに墨書した額が飾ってあります。
社会的役割を果たす中で日々己を研き ぴあに来たら仕合せになってね!

 次年度もまた充実した研修となるように…と一同心から祈っています。

2017.05.16  千葉大学看護学部精神看護学概論「当事者の皆さんから学ぶ」
何かのご縁から2012年の4月より、千葉大学看護学部の実習生を年に3回(4月・7月・12月)お迎えすることとなりました。更に2015年の5月からは、精神看護学概論「当事者の皆さんから学ぶ」の講座に、貴重な時間を割いて3年連続でお招き戴くこととなりました。精神疾患に関する自らの体験がそのまま90名の看護学生への貴重な教育資源となるという、嬉しい体験を毎回させて戴いております。誠にありがたいことでございます。

 3年目となる今回は、予め大学に原稿を送って90人の学生の皆様方にお読み戴き、先生方にお願いして彼等からの質問を先に集計してもらい、当日はそれに3人の登壇者が答えるという形で進みました。これができたのは先生方の大変なお力添えがあってのことでして、一同心から感謝しております。

 3年間で3度の経験を積ませて戴きました結果、学生の皆様方に何をどのように学んで戴くかに関しまして、私どもの方に幾つもの課題が見えてきました。教育資源や啓発資源へと連なるこれらの貴重な体験を、自らの恢復への道にも結びつけることが出来るよう、周囲の皆様方に感謝しつつ皆で切磋琢磨して行こうと誓い合っております。

2017.05.14  浅井病院訪問演奏(はんてん木まつり)
浅井病院の職員の皆様方に周到な準備をして戴いた「はんてん木まつり」の空間に於きまして、私たちは正面玄関先のテントの中で毎年精神障害者の作業所「ぴあふぁくとり」として出店させて戴き、煎餅や野菜、雑貨等の物品販売しておりました。今年からは長年慣れ親しんだこのテントから出て、C棟1階の広い室内空間に設えられた舞台に立ち、Space Peer Voice Ensemble としての参加が叶うこととなりました。浅井病院の関係者の皆様方に、一同心から感謝しております。誠にありがたいことでございます。

 私たちは童謡の練習にも長年取り組んで参りましたが、童謡を楽しく唄いこなすことの難しさに毎回直面しています。浅井病院には職員の皆様方を対象に、「やまもも保育所」という院内保育所が置かれています。大きな声で園児のみなさんとご一緒に歌を唄いながら、楽しいひと時を過ごすことが出来れば…と夢を膨らませてきましたが、一所懸命に歌を唄いながら表情も明るく!となると、同時にこれをこなすことは実はなかなか大変なのです。

 アンデルセンの童話に出てくる「裸の王様」(原題:皇帝の新しい服)では、王様の姿を見て正直に裸を指摘できたのは子どもでした。幼い子どもたちに歌の楽しさを伝えることの難しさは、充分過ぎるほど分かっていますので、私たちの歌の力でみんな一緒に、わんちゃんや猫ちゃん、小鳥さんや熊さんになることが出来るかどうかが、とても心配です。毎朝の練習の積み重ねの中から、1つずつ着実にこの不安を払拭して、いつの日にか幼稚園や保育所の子どもたちと一緒に歌を唄いたい…と心から希っています。

​2017.04.28  公立長生病院訪問演奏
公立長生病院地域医療連携室の石井MSWさんと、地域医療部会の委員長の任にあられる耳鼻咽喉科の吉岡先生の深いご理解とご尽力とによりまして、4階のラウンジで春夏秋冬の歌を1曲ずつ、入院患者様とご一緒に唄う機会を与えて戴きました。ありがたいことでございます。千葉大学看護学部の実習生も朝の練習に4日間参加され、当日はソプラノの声部を受け持って下さいました。みんなで1つのことを成就しようと、毎朝練習を積みあげて行く中から、少しずつ互いの心が通じ合って行き、この日は入院している皆様方と一緒になって、「共に唄うことの楽しさ」を味わうこととなりました。

ありがたいことでございます。

2017.04.12   蓮福寺のお花見
 毎年この時期になりますと、開花予測や天気予報をもとに、地元本納の成就山蓮福寺の桜の咲き具合を気ぜわしく見はかりながら、満開の日を目指してお花見の日取りを決めることとになります。今年の東京の開花宣言は3月21日で、満開日は4月2日とされましたが、九十九里浜の沖を暖流の黒潮が流れている外房の春は、なぜかいつも遅れます。4月12日(水)は晴れ上がり、温かで絶好のお花見日和となりました。

「社会的役割を果たす中から日々己を研きぴあに来たら仕合せになってね!」

と、栓の木の一枚板に筆耕されたメッセージは、鵜野榮一さん(最前列右端)が往年の腕を奮って一気に鉋がけをした上に、書道十段の内藤新一氏(左隣)が揮毫されました。これを満開の花の下に持って行って、のどかな記念撮影となったのでした。
(この栓の1枚板は、この後「ぴあ ふぁくとり」の作業棟の1階玄関奥の壁の上に掲示され、日々皆様方の目にとまっています。)

 そのあとは早速「花より団子」の世界に一同身を浸らせて、松花堂弁当箱に詰めたご馳走をみんなでま~るくなって食べました。腹ごなしにと、この度もまた本納城址を目指して100メートルほど急坂を登り、主郭跡からの眺めを堪能することになりました。

 帰路は4月1日に開店したばかりの「ほんの~り茶房狸蛙」(本納里さぼうりあ)で珈琲を飲んで心身の疲れを癒やしながら希望に胸を膨らませ、改めて新年度のスタートを切ることになりました。

29年度も日々己を研き、良き1年となりますように!!

2017.02.22  NPO法人こだま 訪問演奏
 インフルエンザの流行が及ばぬように、この時期は施設や病院などでは内部感染を恐れて、外からの訪問者を厳しく制限しています。冬は訪問演奏をお願いすることにとても苦労するのですが、この度は特定非営利活動法人こだまの近藤けい子理事長のお招きを戴き、小一時間みんなで一緒に唄うこととなりました。10数年前の最初期から数え、既に6回もお邪魔しています。

 4月は公立長生病院となっていますが、現時点では3月の訪問先はまだ決まっていません。

2017.01.18  城西国際大学福祉総合学部 精神保健福祉士実習事前学習会
城西国際大学福祉総合学部 精神保健福祉実習事前学習会

城西国際大学福祉総合学部の皆様方のお力添えによりまして、私どもが置かれている様々な状況をお伝えする場を毎年つくって戴くようになってから、早くも7年を経過します。ありがたいことでございます。従来は各自の思いをそれぞれ原稿用紙に認めて、利用者さんに描いて戴いた絵を表紙にして冊子に束ね、学生の皆様方に予め読んで戴いたうえで、教室で私どもの話をお聴き願っておりました。(冊子の編集が間に合わず、当日の朝印刷し、みんなで手分けしてホッチキス止めした冊子を、やっとの思いで急遽教室に持ち込んだことも何回かありました ‼ )

 7年目となる今回の事前学習会は、敢えて従来とは趣向を変えて臨ませて戴きました。大学の教室を将来精神保健福祉士となる皆様方の「実習の場」に変え、教室そのものを私たちへのエンパワメントの場にして戴くよう、こちらから厚かましくも学生の皆様方にお願いしてしまったのです。教室はたちまち訪問演奏用の高齢者施設と化し、学生の皆様方は私たちの恢復の為に、私たちをエンパワメントする立場に置かれました。私たちと目と目を合わせて、両の手で握手を3回も繰り返し(最初/クリスマスプレゼントの前/最後のお別れ)、共に歌い、挙句の果ては戯れに互いの声の大きさを競うこととなりました。  

 精神疾患を負った者に対する社会の無知識や偏見を取り除いて行くのは、それを否応なく体験せざるを得なかった私たち恢復者自身の責任なのです。私たちの恢復途上の姿を周囲に開示することから、私たちを見る周囲の目が変わって行きます。精神保健福祉士の役割は、地域の只中で彼等が隠されずにありのままに生きて行けるような環境を創り上げ、彼等をエンパワメントすることにあることを、教室の学生の皆様方にお伝えして来ました。傍から見てどんなに拙い試みであったとしても、当人たちが一所懸命にしていることが、周囲の心を深く動かすことがございます。学生の皆様方には、精神保健福祉士の仕事とは、どのような人に、何を目指して、どのような支援するのかを、短い時間でしたが垣間見て戴けたでしょうか。

 スペースぴあとのご縁を結ぶことが無ければ、未だに入院していた方が大勢居られます。福祉を志している若い学生の皆様方に、私たちは大きな期待を抱いております。

 この度もまたこのような場を設えてくださりまして、重ねてありがとうございました。一同、皆様方に心から感謝しております。
 注 : エンパワメント(湧活)
  人びとに夢や希望を与え、勇気づけ、人が本来持っているすばらしい、生きる力を湧き出させること

2017.01.10  千葉大学看護学部 実習
2017.1.10~2017.1.13
千葉大学看護学部 実習
 千葉大学看護学部の実習生の皆様方は、平成24年から毎年3回に分けてここに来られ、毎回新鮮な風を入れて戴いています。4日間の実習の最終日には、毎回高齢者施設への訪問演奏を一緒に体験して戴いておりましたが、今年はインフルエンザの流行が早かったために、折角の企画が中止となってしまいました。そこでホール宗重を利用して、3時間に亘り「意見交換会/交流会/お別れ会」を行いました。最後に8名の学生の皆様方と一緒に、「ほんの~り茶房狸蛙」の前で記念撮影となりました。

 恢復を目指し、地域の只中で私たちはどのような空間を創ろとしているかを、この度もまた様々な視座から皆様方に学んで戴くこととなりました。千葉大からは毎年3回に分けて総計30名弱の方々をお迎えしておりますが、看護学部の学生の皆様方が、地域の只中で恢復を目指している私たちの暮らしの現場に繰り返し脚を踏み入れて下さることにより、疾病や障害による私たちの苦しい思いや体験が、皆様方の貴重な教育資源になって行くことが直に感じられ、とても嬉しく思っております。このような機会を長年に亘って繰り返し与えて下さる千葉大学看護学部の関係者の皆様方に、一同心から感謝しております。ありがたいことでございます。実習生の皆様方の学業成就を、みんなで心から祈念しています。

「どうか、福祉の現場をも熟知した、良き医療者となりますように!」
      
これがみんなの心からの希いなのです。

2016年のスペースぴあ茂原での活動とイベント

スペースぴあ茂原の就労継続支援B型事業所では、高齢者福祉施設などへの訪問演奏(合唱)、各種イベントへの参加をしています。

2016.12.22  長生健康福祉センター  クリスマス会(ディケア-)
茂原保健所のデイケア-の皆様方のクリスマス会に初めてお招き戴き、Space Peer  Voice Ensemble の歌声をお聴き戴きました。12月は木村病院、本納地域包括支援センターに引き続き3回目の訪問演奏となりました。素晴らしいご馳走をご用意下さり、過分なお心遣いに戸惑いながらも、心から感謝してみんなで戴きました。ありがとうございました。

2016.12.14  医療法人学而会 木村病院 クリスマス会 合唱参加
病床削減を大胆に断行しておられる木村病院の清看護部長様のご厚意によりまして、 Space Peer Voice Ensemble としましては初めて、精神科病院の中にお招き戴くこととなりました。私たちは、入院中の皆様方を前に一心に唄いました。顧みるに、ここに至る迄には十数年の歳月が流れ去っておりました。本日、やっと実現したのです。ありがたいことでございます。お力添えを戴きました皆様方に、心から感謝しております。

10数年来高齢者施設への訪問演奏の経験を積み重ねて参りましたが、この度の木村病院での貴重な体験から、私たちは自らの心の奥深くに、悔いの思いを伴う深い悲しみをも感じざるを得なかったのです。退院して地域で暮らしている自分たちの恢復の姿を、今もなお長期に亘って入院して居られる方々や、彼等の暮らしを院内で日々支えておられる医療者の皆様方に見て戴く行くことの大切さにも、改めて気づかされました。良き機会に恵まれなかったならば、自分たちもまだ病院内で暮らしていたかもしれない・・・との思いが、皆の心に幾重にも過って行きました。

これを機に、精神科病院の関係者の皆様方の更なるご理解を戴きながら、私たちの役割を、これまでの高齢者施設から精神科病院へと、徐々に舵を切ることが出来ないものかと希っております。病院の中で暮らしておられる私たちの仲間たちと一緒に、みんなで歌を唄う体験を1つずつ着実に積み重ねて行く中から、新たな地平が見えて来るかもしれません。引き続き皆様方のご理解とお力添えとを戴きますよう、よろしくお願い致します。

​2016.11.6(日)第65回 茂原市文化祭  音楽の広場
「私たち Space Peer Voice Ensemble は精神疾患を負った者の集まりで、自らの恢復を求めて年に20数回もの訪問演奏を行っている運動体です。」 とのアナウンスが、進行係の柔らかな声によっておもむろに会場に流れます。袖から指揮者が登場し、一礼後に2部や3部の合唱が始まりました。みんな、緊張の極みでした!

「今日はみんなで思いっきり舞台で楽しんで来よう!」 と約束して、今年もまた「音楽の広場」に参加しました。初めて出場した時から数えて、早くも6年目になります。日本の四季の歌の中から、「春が来た」「こいのぼり」「七夕」「炭坑節」「東京音頭」「虫の声」「ジングルベル」の7曲の各々の1番だけを駆け足で唄い抜け、最後に「いつも何度でも」で締めくくりました。正味8分程の早業を、みんなで心を合わせてやり抜いたのです。夏の風物詩の盆踊りの場面では、期せずして会場から手拍子が湧き起こり、更に「よいよーい」の合いの手まで飛び出し、吃驚しました。嬉しく思いました。ありがたいことでございます。

帰路、東部台文化会館の玄関前で撮った右下の写真では、ひと仕事終えた後の、爽やかな笑顔に満ち溢れたみんなの安堵の様子が見て取れます。毎朝の練習を通じて、複数の声部をそれぞれ丹念に研いて丁寧に積み重ねて行く中から、日本語の美しい詩の情感を表現しようと長い間心を傾けて来ました。

舞台でみんなで一緒に楽しく歌っているうちに、私たちに対する周囲の社会的抑圧(偏見)が次第に薄れて行きます。精神疾患を負った者に対する、この国の長い歴史の中で歪められてきた周囲の意識を、音楽によって緩やかに変容させて行く中から、私たちの心も解き放たれ、そこから恢復へと向かう深く豊かな地平がおもむろに立ち顕れてきます。

障害は社会の側がつくり上げているという「社会モデル」に深く触発された私たちは、音楽を通して、皆様方とご一緒にこんな風に「時」や「場」を共有して行く中から、新たな関係性を地域の只中でつくり直そうとしています。

2016.11.05  城西国際大学 文化祭 バザー

2016.10.09  橘神社例大祭
残念なことに、昨年は雨の為にお囃子だけの祭礼となってしまいましたが、今年は朝降っていた雨が止み、午後には三つの町から山車が出ました。御船町の役員の皆様方が先頭に立って綱を曳かれ、そのあとには子どもたち、そしてお母様方、次にスペースぴあの面々が続きました。御船町自治会の皆様方には長年深いご理解を戴いておりまして、一同心から感謝しております。ありがたいことでございます。

2016.10.04  伊豆熱川温泉旅行
4年前から年に1度、秋に1泊の温泉旅行に行きますが、鬼怒川、草津、那須塩原に引き続き、今年は熱川に参りました。台風20号の接近に気をもみながらも、曇り空の中でしたがお陰様で無事に戻って来ることが出来ました。起伏と曲折が激しい東伊豆の国道135号線を大型バスで往復しながら、初島、大島、利島を眺めつつ、みんなで楽しい時を過ごしてきました。これまで参加出来なかった方々が何人も来られるようになったことも、嬉しいことでした。仲間の力の大きさを、改めて知ることとなりました。

2016.09.25  ロザリオ福祉まつり

2016.09.12  葵の森あっとほーむ大網 訪問演奏
葵の森あっとほーむ大網様に、この度初めて訪問演奏をさせて戴きました。今まで数多くの高齢者施設に伺いましたが、それらの中で葵の森の皆様方が最も大きな声で歌って下さいました。お集りの皆様方の旺盛な気力に私たちは圧倒され、逆に私たちの方こそデイサービスにお越しの皆様方から元気を戴くこととなり、吃驚してしまいました。皆様方にメロディーラインをお願いし、私たちは低音部を口ずさんで響きを楽しんでいるうちに、楽しいひと時がアッという間に過ぎ去って行ったのでした。

次回の訪問時にはパワフルな曲をもっと用意して、ご一緒に大きな声で歌うことが出来るよう、この視座から選曲にも力を入れねば…と思っております。このような貴重な体験をさせて戴きまして、一同心から感謝しております。ありがとうございました。

2016.08.20  ピアスタッフの雇用を巡る意見交換会
この日は城西国際大学福祉総合学部の実習生1名と、千葉大学看護学部の9名の研修生が加わり、杜の街の入居者の皆様方とご一緒に大声で歌いながら、あっという間に1時間が過ぎて行きました。ソプラノのパートが一気に増えて、女声のメロディーラインがくっきりと表に現れたお陰で、驚くほど美しいハーモニーが生まれました。

              
2016.07.08  杜の街 訪問演奏
この日は城西国際大学福祉総合学部の実習生1名と、千葉大学看護学部の9名の研修生が加わり、杜の街の入居者の皆様方とご一緒に大声で歌いながら、あっという間に1時間が過ぎて行きました。ソプラノのパートが一気に増えて、女声のメロディーラインがくっきりと表に現れたお陰で、驚くほど美しいハーモニーが生まれました。

2016.06.08  特別養護老人ホーム あんしん 訪問演奏
睦沢町の特別養護老人ホーム あんしん に、初めて訪問演奏に伺わせて戴きました。唄っている時には皆とても緊張した面持ちでしたが、お年寄りの皆様方と沢山の握手を交わし終えた後に、いつものようにみんなで外で写真を撮る段になりますと、ご覧のようにすっかりくつろいで笑顔に戻っておりました。ステージの上でもこのような豊かな表情で歌えるよう、恢復への道を目指して歩み続けて参ります。

2016.05.18   老人保健施設 つくも苑  訪問演奏

2016.05.17    千葉大学 『 精神看護学概論 ⑧ ~ 当事者の皆さんから学ぶ 』
5限目に設えられた千葉大学看護学部の『精神看護学概論 ⑧ ~ 当事者の皆さんから学ぶ』の講座に、今年もまたお招き戴くこととなりました。ありがたいことでございます。2階の大きな講義・実習室で、90分に亘り3人の当事者の皆様方の体験をお聴き戴き、後半は90名の学生の皆様方と共に質疑応答の有益な時間を過ごすこととなりました。

当事者性を帯びた者の貴重な体験が、このような場面を通して広く医療資源や教育資源等々になって行く様が、この度もまた眼の前に展開されて行きました。このような空間から、 彼等にとっての恢復への途が1つずつ着実に切り拓かれて行くのです。

私たちに毎年このような機会を設えて下さる千葉大学看護学部の野崎章子先生、舘 祥平先生らの深いご配慮に、一同心から感謝しております。誠に有り難いことでございます。

2016.04.29   東金青年の家 研修
6回目となった「東金青年の家」での宿泊研修では、2日間目一杯「べてるの家の当事者研究」の<研究>を行いました。自らの生の軌跡を語り合いながら、薬物療法以外の恢復への道をみんなで模索し合いました。この体験を基に、更なる言語化の道を歩みます。 

2016.04.28   特別養護老人ホーム長生苑 訪問演奏

特別養護老人ホーム長生苑様に千葉大学看護学部の10人実習生と共に伺い、お年寄りの皆様方とご一緒に、楽しい1時間を過ごして参りました。長生苑の皆様方は最初こそ小さな声でしたが、終わる頃には声も大きくなり、最後はみんなで握手を交わして分かれてきました。次回は古い歌謡曲を2~3曲とのリクエストを戴きましたので、「東京音頭」や「瀬戸の花嫁」の合唱用の楽譜を探し求めました。

2016.04.05   成就山蓮福寺のお花見

連福寺の桜が満開になっており、絶好のタイミングでの花見となりました。精神保健福祉ボランティア「ひまわり」の方々もご参加下さり、総勢30名の賑やかな花見となりました。その後はみんなで本納城跡などの探索も行い、山の上から九十九里海岸や太東岬を眺め、童心に戻って「初めの一歩」遊びに興じるなど、楽しい一日を過ごすこととなりました。

2016.01.13  城西国際大学福祉総合学部 精神保健福祉士実習事前学習会
城西国際大学総合福祉学科における「精神保健福祉士実習事前学習会」の場で、今年も17人の皆様方が自らの貴重な体験を発表することとなりました。2010年から毎年参加させて戴き、今年は7回目となります。活発な質疑応答の中で、当事者の体験がこのような場を経て大切な教育資源に変わっていく様を各自深く実感でき、お陰様で大いにエンパワメントの場となり、発表者は皆勇気づけられて帰ってきました。城西国際大学の皆様方に、一同心から感謝しております。

生活クラブ風の村スペースぴあ茂原の2015年の活動とイベント

スペースぴあ茂原では普段の作業所での作業だけでなく、イベントなどにも参加しています。これはご利用者の社会参加を促進するという目的もございます。

2015.12.18  特別養護老人ホーム 杜の街 訪問演奏
「特別養護老人ホーム 杜の街」様にてSpace Peer Voice Ensembleによる合唱と千葉大学看護学部実習生6名のハンドベル演奏が加わり賑やかな訪問演奏となりました。

2015.11.27  グループホームもばら和光苑 訪問演奏
「ボランティア演奏 スペースぴあ」という横断幕をこの度もまた掲げて戴き、1時間に亘ってご高齢の皆様方とご一緒に歌を唄って参りました。和光苑様への訪問演奏を重ねていく中から、いつの間にかご一緒にひと時を過ごす喜びを、みんなで感じとれるようになってきたことに気づきました。Space Peer Voice Ensembleの面々は1時間立ち続けの熱演でしたが、みんな気持ち良い疲れの中で戻ってきました。

2015.10.28   那須塩原温泉旅行
鬼怒川、草津についで3年目になりますが、恒例の温泉旅行に今年は栃木県の那須塩原温泉に総勢29人で行ってきました。幸いにも3回ともすべて快晴となり、皆で色とりどりの美しい紅葉を楽しむことができました。

2015.10.14   七渡コスモスフェスタ 野外演奏
Space Peer Voice Ensembleの17名で、七渡農地水環境保全会主催のコスモスフェスタに10月12日に参加し、二部合唱でメドレー(「春が来た」「こいのぼり」「七夕」「七つの子」「虫の声」)を歌ってきました。2回目は会場の皆様方とご一緒に、私たちは低音部を受け持ち、無事に地域デビューを果たして参りました。秋の高く澄み切った空のもと、みんなで楽しいひと時を過ごしました。

2015.09.27   ロザリオ福祉まつり
第26回「ロザリオ福祉まつり」に、みんなで出店させて戴きました。前理事長の細渕様に手取り足取り支えて戴き、右も左も判らぬままに初めての参加を促して戴いた時から、早くも8年の歳月が流れておりました。今年は生憎雨の中での開催となりましたが、お陰様で10,040円の売り上げとなりました。ありがたいことでございます。来し方を振り返りながら、16時過ぎに本納に戻りました。雨に濡れながら、過ぎ去りし日々を1つ1つ手繰り寄せておりました。

2015.09.25   スペースぴあ交流会 鶴岡様
第21回スペースぴあ交流会を開催しました。
 「自らの生の軌跡を語る語り手の深い思いを聴きとる会」という長い副題を持つ「スペースぴあ交流会」に、この度は鶴岡さんをお迎えし、これまでに培ってこられた様々なご体験を、皆様方に語って戴ました。引き続きもっともっとお話を伺いたい…との深い余韻を会場に残して、瞬く間に時は過ぎて行きました。

2015.08.28   スペースぴあ交流会 高梨様
第20 回スペースぴあ交流会を開催しました。オーボエ奏者でもある高梨さんに、高校時代の吹奏楽部の厳しい練習ぶりや、音楽を通じて得た様々な交流を語って戴きました。会場からのリクエストストに応じて、即興でいろいろな曲を演奏してくださり、ご一緒に楽しい時を過ごすこととなりました。

2015.07.31   スペースぴあ交流会  伊藤様・市川様
第19回スペースぴあ交流会には、目下就労している「ぴあふぁくとり」の2人の就労継続支援B型の卒業者にお越し戴いて、貴重な体験を語ってもらいました。聞き手の皆様方からも次から次へと質問が出まして、自分も就労したいという各自の深い思いがあふれ出ておりました。スペースぴあでは福祉的就労の場を作ることから着手してきましたが、就労移行支援に関しましても力を入れる時が来ているとみております。

2015.07.11   御船町 日天子祭り
 地元御船町自治会の日天子祭に今年もまた参加させて戴き、子ども神輿の後ろについて「わっしょい、わっしょい」と声援を浴びせながら、みんなで町内を練り歩きました。夕刻には地域の皆様方とご一緒にご馳走を戴き、最後にお囃子の舞台の前で、地元の皆様方とご一緒に記念撮影となりました。

医療観察制度についての勉強会を行いました

法務省千葉保護観察所から2名の社会復帰調査官にお越し戴き、2時間半に亘って医療観察制度の地域処遇に携わる支援者研修を実施しました。この研修では、医療観察制度の概要と社会復帰調整官の役割を中心に、処遇の流れやケア会議の具体的な様子等をご教示願い、司法と医療や福祉との連携を学ばせて戴きました。

この地域で、精神障害者の社会復帰を進める新しい地域ケア体制を築いていく際に、スペースぴあはどのような役割を果たすことが出来るかを巡り、引き続き内部で議論を重ねて行くこととなりました。刑事事件を起こしてしまう背景にはいろいろなものがありますが、その中には精神障がいによってやむなく起きてしまうこともあるわけです。同じような悲劇を再び起こさず、多くの方が住みよい社会を作っていくために、必要不可欠な制度であると感じました。